ご案内
同規模の都市で、1000人の転出と転入しかない街とでは、賃貸マーケットのボリュームが違う。
どちらも人口増減率は同じゼロなのですが・。
周辺に多種雑多な利便施設が混在し、異なった価値観、幅広い世代の人とモノが、絶えず循環と輪廻転生を繰り返しているような地域。
都市文化、都市機能が幾重にも複合しているエリアに目を向けたいものです。
人為的に促成開発されて発展した街は、絶対に駄目なのです。
区画整理された美しい街並みと、大型スーパーマーケットと、広い公園や豊かな自然環境。
これらの組み合わせは、一見近代的な優良住宅街に見えますが、実は、負け組住宅街の予備軍なのです。
どこかの住宅ハウツー本など読んで、住宅の善し悪しだけを判断しても駄目なのです。
主人公は、あくまでも、そこに住む人です。
「これは欠陥住宅か」などと考える前に、この辺りにはどんな人が住んでいるのかということが重要なのです。
欠陥住宅よりも、きっと欠陥都市文化のほうが怖いと悟るべきでしょう。
新規供給が少ないエリアでも、ただし、ここに一つの盲点があります。
どんなに高額所得者や富裕層が自然に集まる。
その住宅需要を上回る供給があれば、高い賃料を維持することはできないということです。
かっ、供給が少ないことが賃料を高値安定させる」というのが経済学のセオリーです。
したがって、供給が少ない地域が良いに決まっています。
「需要が多く、新築住宅の供給があるとしても、大規模開発ではなく、小規模な建て替えが中心になっている地域が好ましい。
逆に、いくら歴史的に都市文化が熟成、形成されていても、周辺が、生産緑地や宅地化農地、広大な斜陽産業の工場跡地など未利用地が多いいっきに需給バランスが崩れるおそれがあります。
地域は、私は、農地や市街化調整区域に固まれた郊外のベッドタウンの将来性については、かなり悲観的です。
外見上は発展している市街地のように見えても、外周部にいくらでも新規供給圧力があるからです。
いくらタウン内の街並みがキレイでも、住宅の価値は疑問符です。
用心しなければならないのは、単に歴史的に都市文化が形成されているといったことだけでは駄目な点です。
たとえば、江戸時代からの街道筋で歴史的に発展熟成した都市があったとしても、隣の都市までは距離が遠く、孤立し、周辺に土地が余っているところも多いのです。
このようなところは、ある程度は商店街、時には大きなデパートまで揃っているかもしれません。
しかし、将来性はないのです。
市街地の中心部は確かに建て替え地域かもしれないのですが、駅から日分も歩くと土地が余っているため、周辺に供給圧力があるのです。
プラン(間取り)重大な関係(街)のとエリア全体として平均的に賃料の高い地域は確かに存在します。
しかし一方で、たとえば、かの有名な田園調布において、閑静な住宅地で、駅から徒歩日分のところに1LDKのマンションを買っても、むしろ、はたして資産価値はあるか否か、疑問なのです。
lLDKなら、どこかの中堅地方都市の駅前から3分のエリアにあるほうが価値は維持できるでしょう。
最も重要なポイント。
それは「環境に合った優れたプラン(間取り)だけが、将来も効率的で高い賃料を期待できる」という事実を忘れてはなりません。
逆にいえば、都市文化が洗練された地域における陳腐なプランには、極大化した賃料は期待できないし、陳腐な地域における洗練されたプランも同様なのです。
「極大化した賃料」というのは、単に金額が高いということではなく、それぞれの地域のニーズに合ったプラン(間取り)をつくることで、最大限期待できる賃料ということです。
地域ごとの賃貸入居層のポテンシャリティを最も引き出したときに得られる、その地域の上限賃料ともいえます。
このように、地域特性に合ったプランによって極大化した賃料を期待できる状態にあることを、私は生物学と同じく「不動産の環境適応」と考えています。
要するに、適者生存です。
この状態は、不動産鑑定士など専門家なら「最有効利用(正式な用語は『最有効使用』)」と呼びます。
変な話ですが、富裕層の少ないエリアには、庶民的なプランが適応するのです。
このような地域には、賃貸を望む富裕層が少なく(富裕層は、自己使用のための住宅を買ってしまう)、平均的な庶民層が負担できる賃料には、おのずと上限があその大きさに比例して高い賃料は期待できるのです。
いくら大きな住宅を建てても、ません。
環境適応し、最有効利用された住宅だけが、資産価値を維持できるさまざまな地域特性を把握したうえで、今度はその住宅が「環境適応しているか」また「最有効利用されているか」と問うことによって「将来も住宅の価値を維持し続けられるか」が予想できます。
スケルトン性(次項参照)が高く、どんなタイプにもリフォームできる建築構造なら良いのですが、そうでもない限り、ことは慎重を要します。
から「こんな間取りが人気がありそうだ」。
そうしてから「じゃあ、自分もそこに住めるか否か」と順番に考えていく。
そういうスタイルが「こんなタイプの人が多い」「貸せる住宅」の選び方なのです。
ただし、聞取りゃ面積にこだわるのも、また危険が伴う。
すでに、従来型の3LDKを中心とした家族観やカテゴリー分けは通用しない世の中になってしまいました。
将来性のあるエリアには、さまざまなタイプの人聞が集まり、ライフスタイルやニーズも多様化しています。
私のような企画者のサイドでは、多品種少量生産で対応すべき時代の到来を予感、実感しています。
たとえば、ワンルーム。
一口にワンルームといっても、昔の6坪タイプではなく、加2mから、最近では、知2mを超えて企画されるものも多い。
使い方は、1LDKに近いケースもありますが、必ずしも学生や独身者サラリーマンだけのニーズが対象とはいえない。
SOOや富裕層の単身者のニーズも意図されている。
天井を高くして、ハイサッシを使い、キッチンや浴室まわりの設備を充実させる。
同じ面積でも、3LDKにするか、4DKにするか、2LDKにするか。
それによって、住む人の所得、年齢、価値観、ライフスタイルが全く違うケースが想定されます。
手慣れた企画者にとっては、まだ見ぬ未来の入居者の顔や私生活の姿も含めて、とつくに透視されているものなのです。
悲しいかな、ストーカーや性犯罪の分野でも先進国の仲間入りをした日本では、特に若い女性は治安の悪い街を避けて住みます。
また1階には入居したがらないでしょう。
所得の少ない女性は、2人で組んで2DKをルームシェアして住むかもしれない。
独身の若い姉妹にも、このパターンが多い。
昔、2DKは、新婚さんと相場が決まっていたのですが・。
保育園近くの2LDKは、デインクスが借りるでしょう。
あるいは、稼ぎの良いシングル・マザーが住むかもしれない。
仕事は水商売かもしれません。
母親が頻繁に通って来るかもしれない。
食洗器も必需品です。
あるいは、自営業者、会社経営者の、事務所兼セカンドハウスかもしれない。
総じて、経済的に活気ある地域には、多様な業種、さまざまなライフスタイルの人が入れ替わり立ち替わり住むものです。
サラリーマン、OL、フリーター、フリーランスといった属性の分類だけではなく、年収ごとの職種、趣味、生活スタイル、人生観、恋愛観、結婚観まで含め、詳細に分けて考える必要があります。
高度成長期のような、誰もが同質な、中産階級向けのマーケットは消滅しつつあるのです。
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